阪野鑑臨書魂グリーンラベル・110番「薦季直表」
110番は鍾繇の「薦季直表」より
「聖德もて其の旧勲を録す」
6字完結の語で、画数多めのものが集まっている
臨書課題として使いやすそうな部分です。
「聖」・・・これはどうってことない。最後の一の起筆の角度を90度に近くしたのがポイントかなあ。
「德」・・・ぎょうにんべんがこういう形になるのはよくありますね。左にグリンと押し出すところ、心の点とのバランスを考えるとこのくらいグリングリンいった方がいいかなと思って。結果成功かなと思ってます。四の中の「ソ」が腕の見せ所ーー!ここ、ここですよ。この字の表情を決める部分です。四の上辺の調子がその布石。ソをこうするための布石を打っておくわけです。
「録」・・・原本はいまいち締まりのない表情。旁のはねの角度を少し上に向けてあげることで解消したつもり。それにつられて最後のL字の調子も少し変わる。
「其」・・・ハシゴの中の二つの点を双子にしないことかなあ。あとはハシゴの二本の縦画で筆の同じ面を当てないことですね。最後は、長ーーーい横画とハで絶妙なバランスをとることだけ。
「旧」・・・薦季直表らしさを出すには、長いノの起筆であまり深く筆を入れないこと、つまりノは比較的浅彫りの感じにすること。最後の臼(日みたいに見える部分)は、原本がもっさりしているので、ちょっとシャンとするようにしてみました。
「勲」・・・重の縦画からのクルリな部分が変なので、少し立て気味もしくは左流れにするために、真ん中の日は少し左に傾けてみた。最後の四つの点はどうってことないんですが、原本のやつがあまりに納得のいかない場所にあるので、作品全体にしっくりくるところに配置しました。
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